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2025.10.03

体外衝撃波:拡散型と収束型、どちらが向いている?症状別の選び方

「かかとが痛くて朝歩けない」「膝の内側がズキズキする」――そんな慢性的な痛みに対して、最近注目されているのが 体外衝撃波 です。

耳にしたことがある方もいるかもしれませんが、体外衝撃波には 拡散型と収束型の2種類があります。

同じ「体外衝撃波」といっても仕組みや効果の届く深さが異なるため、症状によって適した方法を選ぶことが大切です。



体外衝撃波治療とは?

体外から強い圧力波(衝撃波)を患部に当てることで、以下のような作用を期待できる治療法です。

痛みを和らげる:神経の過敏を抑える

血流を改善する:患部の血流を促し、自然治癒を助ける

組織修復を促す:腱や靭帯の修復をサポートする

欧米ではスポーツ障害や慢性痛の治療として広く用いられ、日本でも整形外科領域で導入が進んでいます。

拡散型と収束型の違い

🔹 拡散型

表面に近い部位に広くエネルギーを伝える
深さは2〜3cm程度
短時間で終わる
装置が普及しており、多くのクリニックで導入されている

・メリット

費用が比較的安い
広範囲の慢性痛に対応しやすい

・デメリット

深い部分(股関節・大腿深部など)には届きにくい
複数回の施術が必要なことも

🔹 収束型

衝撃波を一点に集中させ、より深い部位に届かせる
深さは5〜6cm以上にも到達可能
ピンポイントで強いエネルギーを与えられる導入施設は限られるが、高度な治療が可能

・メリット

深部の強い痛みに対応できる
少ない回数で効果を感じるケースもある

・デメリット

拡散型より痛みを感じることがある
受けられる施設が限られる

症状別の選び方

あくまでも参考例なので、患者さん一人ひとりで病態も違います。

・足底腱膜炎(かかとの痛み)

朝起きたときに強い痛みが出る代表的疾患

軽度〜広範囲の痛み → 拡散型

慢性化・ピンポイントで強い痛み → 収束型

・アキレス腱炎

ランナーやスポーツ選手に多い腱障害

腱付着部に限局した痛み → 収束型が有効

・テニス肘(外側上顆炎)

肘の外側にピンポイントの痛み

収束型がより有効

・変形性膝関節症

膝の広範囲に慢性痛がある → 拡散型

内側の一部に集中する痛み → 収束型

・石灰沈着性腱炎(肩の激痛)

肩に石灰が沈着し、強い痛みを伴う

深部で限局しているため、収束型が望ましい

肩こり

筋肉の血流が悪くなる事で起こる 

広範囲のため拡散型が有効



治療回数・期間の目安

拡散型も収束型も週に1回を3~5回程度行う事が多いです。

※いずれも「個人差」が大きく、症状の重さや生活習慣によって変わります。

体外衝撃波治療後に大切なこと

衝撃波は「痛みを減らす」「治癒を促す」きっかけにはなりますが、それだけで完結する治療ではありません。

リハビリ(理学療法)を組み合わせること → 関節や筋肉の動きを改善し、再発を防ぐ

生活習慣の見直し → 姿勢・歩き方・靴の選び方などを修正

無理な運動を避ける → 改善途中で負荷をかけすぎない

これらを併せて行うことで、体外衝撃波治療の効果はより高まります。

まとめ

体外衝撃波治療には 拡散型 と 収束型 があり、それぞれ得意分野が異なります。

広範囲の痛みや筋緊張緩和 → 拡散型
限局した強い痛みや深部の病変 → 収束型

症状に合わせて正しく選ぶことで、より高い効果を期待できます。

こうゆうクリニックでは、収束型体外衝撃波治療を行っております。
また、関連施設の Rehappy では拡散型体外衝撃波治療に対応しており、症状に合わせて使い分けが可能です。




体外衝撃波についての説明