

梨状筋のストレッチ方法…伸ばしたいお尻側の足首を、反対側の膝の上に乗せて、両手とその膝を使って20秒以上、 深呼吸して反動をつけずに伸ばします。(写真は左の梨状筋を伸ばしている)。伸ばしたい方のお尻側の膝が外側に出過ぎないように注意しましょう。
梨状筋の周囲には、お尻や脚に伸びていく坐骨神経をはじめとした様々な神経が走っています。
この梨状筋と神経の間で硬結や滑走障害が起こると脚裏全体の痺れや痛み、臀部痛が出現することがあります。


※9割の方は梨状筋の下(梨状筋下孔)を坐骨神経が走行していますが、神経が二股に分かれ一部梨状筋を貫いているタイプbや上下を走行するタイプcなど個人差があります。しかし梨状筋のすぐそばに坐骨神経が走っていることに変わりはありません。

梨状筋は股関節外旋筋(外転作用もある)ですが、それなのにストレッチ方法の写真のように、股関節を外旋して伸ばしていることに疑問を感じるかもしれません。
しかし、梨状筋は股関節の屈曲角度によってその作用が逆転します。普通に立っているときや寝ている時は外旋作用を持ちますが、股関節屈曲60°になると回旋作用がなくなり、それ以上の角度になると股関節回旋軸の前方に梨状筋が位置するため、内旋作用が生まれます(外転作用は変わらず)。つまり、股関節90°屈曲位で股関節を外転せず外旋すると梨状筋を伸ばせます。
身体運動学 関節の制御機構と筋機能
関節機能解剖学に基づく形外科運動療法ナビゲーション より引用。