ブログ
blog

2025.03.04

脳卒中後などの手足のつっぱり(痙縮)にボトックス治療

脳卒中後などに手足がつっぱってしまうことを痙縮といいます。

手足がつっぱってしまうと、日常生活に大きな支障をきたしてしまいます。

痙縮を和らげる事で、ご本人の日常生活動作の改善を目指す事と、周りの方の介助のしやすさを目指していきます。

当院では痙縮に対してボットクス注射を行うことができます。

痙縮とは

痙縮とは手足のつっぱりの事で、脳卒中でよく見られる機能障害の一つです。

筋肉が緊張を起こしてしまう状態で、手足が動かしにくくなったり、勝手に動いてしまう状態になる事です。

痙縮になると、手の指がにぎったままの状態になったり、肘がまがったままになってしまうなどの状態になります。

痙縮による姿勢異常が続くと、筋肉が固まって関節の運動が制限され、日常生活に支障をきたします。また、痙縮がリハビリの妨げになる事もあり、痙縮に対しての治療は必要です。


・痙縮の治療法は

痙縮の治療には筋肉を緩める内服薬、ボトックス注射、神経ブロック注射、外科的療法、バクロフェン髄注療法などがあります。

また、いずれの治療にもリハビリがとても重要となります。

痙縮に対して当院で行える治療はボトックス注射となります。


・ボトックス注射とは

ボツリヌス菌が作り出す天然のたんぱく質(ボツリヌストキシン)を有効成分とする薬を筋肉内に注射する治療法です。

ボツリヌストキシンには、筋肉を緊張させる神経の働きを抑える作用があり、痙縮している筋肉に注射すると、筋肉の緊張を和らげる事が出来ます。

ボツリヌス菌そのものを注射するものではないため、ボツリヌス菌に感染する危険性はありません。


・ボトックス注射はどのくらい効果があるか

ボトックス注射後2~3日目から徐々に効果が表れ始め、通常3~4か月ほど効果が持続します。効果は徐々に消えていくため、治療を継続していく場合は年に数回注射を行う事になります。

ボトックス注射は3~4か月で効果はなくなってしまうため、ボトックス注射で筋肉の緊張を和らげている間にリハビリを行うことがとても重要です。

・ボットクス注射に注意が必要または受けれない人は

  ・現在ボツリヌス療法を受けているか過去にうけたことがある人
  ・全身性の筋力の脱力を起こす病気(重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、筋委縮性側索硬化症など)がある方→これらの病気の悪化の可能性あるため受けれません
  ・この薬にアレルギーのある方
  ・喘息など慢性的な呼吸器の病気のある方
 ・妊娠している方、妊娠している可能のある方、授乳中の方

 

・ボトックス注射を受けた後の注意

  ・注射後数時間は揉まない
  ・注射当日は、入浴や激しい運動を控える
  ・女性は最後にボツリヌス注射を受けて 
から2回の月経が終わるまで、男性は最後にボツリヌス注射を受けてから3か月間は避妊が必要
  ・注射により活動的になったり、筋力のバランスが変わることで、転倒しやすくなることもある
  ・注射を続けていくうちに、ごくまれに体内に抗体が作られ、治療効果が弱まることがある 


・痙縮の治療にはリハビリが重要

ボトックス注射は筋肉の緊張を和らげる事ができますが、ずっと効果が持続するわけではありません。ボトックス注射により痙縮を和らげ、リハビリを行うことで機能の回復を目指していく必要があります。

ボトックス注射とリハビリを併用し、日常生活の動作の改善を目指していきます。

当院では痙縮に対してのボトックス注射が行うことができます。
リハビリに関しては当院では痙縮に対してのリハビリは行っておりません。



当院関連施設である自費リハプログラム施設”Rehappy”では脳血管リハプログラムを行っております。

Rehappyでは痙縮に対して、拡散型対外衝撃波を用いたリハプログラムも行っており、より効果が期待できます。ご希望の方Rehappyにご相談ください。

痙縮を和らげる事はご本人の機能回復はもちろん、ご家族や介助される方の負担などを減らす事も期待できます。

痙縮に対してのボトックス注射を希望される方は当院へご相談頂ければと思います。



Rehappyホームページ

体外衝撃波説明