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2024.05.01

膝外側の痛み ~腸脛靭帯炎~

膝の外側が痛いと思ったことはありませんか? それは、「腸脛靭帯炎」といわれるものかもしれません。

特に、長距離ランナーに多く発生することから、「ランナー膝」とも呼ばれます。他にもバレエ、サイクリング、バスケ、スキーなど、スポーツをしている人に多く発症します。

原因は、膝の屈伸運動を繰り返すことで腸脛靭帯が大腿骨外側顆と擦れ、炎症を起こし疼痛が発生します。

発生の要因は様々ですが、オーバーユース、硬い靴、硬い地面や下り坂、下肢アライメント不良(股関節内旋制限、膝伸展制限、内反膝→いわゆるO脚)、下肢筋力低下(お尻の筋肉、内転筋の筋力低下、足部動揺性など)、大腿骨外側顆の形態など、があります。

初期は運動後にのみ疼痛が生じ、休むと消失しますが、進行してくると疼痛が増強し、運動するだけでも痛みが出てしまうことがあります。レントゲン、MRIなどで著名な所見はありませんが、膝外側の圧痛、運動時痛が出現します。

治療としては第1に安静、アイシング、また、鎮痛剤、衝撃波、物理療法、テーピングなどがあります。

根本的な原因の改善に、靴の見直し、インソール、ストレッチによる柔軟性改善、筋力トレーニングによる弱化した筋力の増強、アライメント(姿勢)改善、運動フォームの改善などがあげられます。

患部が熱を持っているときには、第1に安静、アイシングが大切です。

腸脛靭帯は、骨盤から起始する大腿筋膜張筋が腸脛靭帯となり、膝の外側外顆へと向かいます。

(赤い部分が大腿筋膜張筋で、白い部分が腸脛靭帯です。)大腿筋膜張筋~腸脛靭帯は、走行動作で股関節外旋を防ぎ、内旋させる作用があるため、いわゆるO脚の状態ではストレスが加わるのです。

(画像引用:プロが教える筋肉のしくみ・はたらきパーフェクト事典p.117 荒川裕志 著)

慢性化した痛みに対しては、大腿筋膜張筋の柔軟性と関連しているため、ここではマッサージと大腿筋膜張筋~腸脛靭帯の収縮と弛緩を使った、簡単なセルフエクササイズを紹介します。

※筋肉は収縮と弛緩、マッサージで柔軟性が改善する作用があります。

1.太ももの外側(上から下にかけて)をマッサージします。腸脛靭帯の痛みが強い場合は、大腿筋膜張筋部のみでOKです。1分~3分を目安に行います。

2.立ってつま先を外に向け、脚を大きく外に開きます。これで大腿筋膜張筋を収縮させます。

3.つま先を内側に向け、脚を大きく内側に閉じます。これで大腿筋膜張筋を伸張(弛緩)させます。

2~3を10回繰り返します。これで以上になります。

※これはあくまで大腿筋膜張筋の柔軟性改善による、腸脛靭帯の痛み軽減を図った1つの方法なので増悪する場合はただちに中止し、近医を受診しましょう。