実は立っている時よりも、座っている時の方が腰にかかる負担は大きいんです。
前かがみになったり、荷物を持つとさらに負担は大きくなります。
つまり座って前傾し荷物を持った時が一番腰に負担がかかるため、避けた方が良いでしょう。
※直立位での負荷を100として、各姿勢で体重70kgの場合に第3腰椎の椎間板にかかる圧力。
Nachemson,The lumber Spine. An orthopaedic challenge.1976より
なので腰を痛めないために、一度立ち上がって、股関節と膝を曲げてしゃがみ、腰を丸め過ぎないように持ち挙げましょう。(しゃがめない場合は片膝を立てるなども良いでしょう)
また、60kgの人が上半身を30°前傾して10kgの荷物を持ったとすると第5腰椎には垂直方向に約3倍の180kgが加わります。そして水平方向(腰の骨が前へ滑る力)は約25kg加わります。
つまり、過度に上半身を前傾して体から離して荷物を持つと、滑る力も増加してしまうため、体の近くで荷物を持つと良いです。
最後に、椎間板は垂直ストレスには強いですが、回旋ストレスには弱いです。
つまり、運搬作業時、前傾してさらに体を捻り、荷物を持ったり移動させると危険です。脚で方向転換して常に体の正面に荷物がくるようにしましょう。また無理をせず台車を使用することも検討しましょう。