子どもが首を傾けたままになってしまったら(斜頸)

ある日急に、お子様が首を傾けたまま、まっすぐに治らない事があります。この状態を斜頸と言います。斜頸はお子様の年齢によっても状態が異なります。

お子様が斜頸の状態になってしまったら、早めに整形外科を受診する事が重要です。


斜頸とは

常に左右どちらかの方向に首が傾いていしまったままの状態の事をいいます。



斜頸は放置してもよいの?

斜頸になる原因はその年代などで様々でありますが、斜頸を放置してしまうと最終的に手術が必要になってしまう可能性もあります。お子様が斜頸になっていたら早めに整形外科に受診することが重要です。



斜頸の分類には

  • 先天性筋性斜頸

:出産後1~2週で気づかれる斜頸で、首の筋肉である胸鎖乳突筋という筋肉にしこりを感じる事が多いです。1歳までに約9割が自然に改善することが多いですが、それ以上まで持続している場合は手術が必要になることがあります。生後斜頸がある場合は整形外科を受診して頂き、診断と生活動作の説明などが必要となります。

  • 骨性斜頸

:生まれつき頸椎や胸椎という骨に変形がある場合などに生じます。整形外科での診断が必要となります。

  • 炎症性斜頸

:風邪をひいてしまった後や中耳炎・扁桃炎などで首に炎症が起こってしまったため生じる斜頸です。多くは1週間程度で自然に改善することが多いです。

ただし、2週間以上斜頸が持続する場合は、環軸椎回旋位固定という首の骨が曲がったまま骨が固まってしまう状態になる可能性があります。



その場合は入院して牽引という治療が必要になる場合もあるため注意が必要です。斜頸がみられたら早めに整形外科に受診する事が重要です。



  • 眼性斜頸

:生後6か月以降に多く、目を開けて何かを見ている時に斜頸になり、目をつぶっている時は斜頸ではなくなっている事がります。この時は眼性斜頸が疑われ、眼科を受診する必要があります。


斜頸の診断には

いずれにしても何か骨に異常がないかを確認するためにレントゲンの検査は必要となります。その上、症状が持続している場合などはCTやMRI検査が追加される場合はあります。


幼児期以降で急に斜頸になってしまったら

明らかな原因が思い当たらなくて急に斜頸になってしまうお子様もいらっしゃいます。

よくよく話を聞くと少し前に感冒症状があったという場合もありますが、何もきっかけがない場合もあります。
また、ただの寝違えだと思ってそのまま様子をみてしまう方もいらっしゃいます。




お子様が斜頸になったらまず整形外科への受診が必要です。多くの場合は頸椎カラーという装具と痛みがある場合はお子様で使える痛み止めを使う事などで1週間程度で改善することがほとんどです。


しかし、2週間たっても改善しない場合などは、首が曲がったまま骨が固まってしまう環軸椎回旋位固定という病気に進んでしまう可能性があるため注意が必要です。




お子様が斜頸になってしまったら、早めに整形外科に受診して頂き、適切な診断・治療を受ける必要があります。



子どもの腰痛には注意が必要(腰椎分離症)のブログ:https://koyu-clinic.com/blog/?p=713